Girls in Uniform 1931 《制服の処女》ドイツ
去る6月-7月に台北映画節という1ヶ月程度の期間で映画祭があったので、教材研究のクラスで意気投合した夜間部の友達リンヤーちゃんを誘って一緒に観に行ってきました。
どれも外国のB級、C級の映画でハリウッド映画があまり好みではない私たちにはぴったり当てはまりました。 特にどれが観たいと決めていたわけでもないので、 とりあえず一番都合のいい時間帯のやつを2枚買いました。 それが《GIRLS IN UNIFORM》です。 本家ドイツ語のタイトルだと《制服の処女》だそうな。 ちょっと危ない題名にアダルト作品では?と思う人もいるかもしれませんね。 そんなことは決してないのですが、ただ同性愛というジャンル には該当する映画です。
同性愛、如何わしい関係,,?と連想しがちですが、実際そうやって思っていた自分がこの映画を観終わってすっかり虜になってしまったんです。
この映画は1931年に発表されたドイツの作品で、あのヒットラーの独裁が始まる矢先に出来た映画なのですが、軍国国家を正に象徴するような厳粛で堅い学校という小さな社会で、マニュエラという両親を失くした女の子が生活し始めます。完全寄宿制の女学校で彼女たちは厳しい規則を守り続けようとします。 でも規則ばかりで頭の硬い子だらけ、ということでもないんです。 彼女たちは消灯時間後にこっそりおしゃべりしたり、好きなスターの写真や切り抜きを実はいっぱい隠し持っていたりと、みんなそれなりに共同生活を楽しんでいたのです。
そんなお茶目な生徒たちの憧れの的は若い美しい先生。他の先生たちがただ頭ごなしに先生という権力を振るう中で、彼女だけは違うんです。 厳しさの中にも愛情があって、誰しもに愛を与えてくれる先生。 そんな先生にマニュエラはいつしか母を慕う愛にも似た、彼氏を思う愛にも似たなんとも言えない感情を抱くようになります。 まあ、ある日マニュエラが先生から下着をもらったことを嬉しくってうれしくて口を滑らせてしまったので、先生との交流を断たねばならず、なんやかんやで学校中大騒動に発展するのですが、マニュエラは絶望して自殺しようとします。 マニュエラがいないことに気がついた生徒たちは先生たちの怒りも、厳しい罰則ももろともせず一心に彼女を探 します。 最後はマニュエラが助かって、女校長がよたよたと杖をつきながら構内へ歩いていくところでおわります。
もう80年程前の映画なので白黒ですが、味わい深い作品です。
映画に出てくる制服は規則やしがらみ、制圧といったものの象徴で、彼女たちは普段それを着ることによって学校という組織の一員になっているのだということがよくわかりました。 彼女たちの内面は熱くとてもユーモアたっぷりで、何度も笑ってしまいました。 マニュエラが先生に抱く愛というのもとても興味深くて、彼女の気持ちが私なんとなくわかったような気がしたんです。 私も大好きな女の先生がいるんですけど、同性愛の愛ではなく、ただ尊敬しているからっていうのが理由です。 いつも先生の授業では先生からの質問にもうまく答えられなかったり、トンチンカンな発言をしたり して、はぁ?という感じになってしますんですが、この映画を観ていてついこれは私と先生だ!なんて思っちゃいました。 リンヤーちゃんと2時間もこの映画についての感想を話し合ったりと、すごく素敵な時間をすごしました。
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